城崎綴り
澄みわたる但馬の水
2019/04/22
氷ノ山、鉢伏山といった標高の高い山々に囲まれ、かつては火山も活発に動いていた但馬地方では、地中に溶岩石が多く堆積しています。
実は、この溶岩石が、但馬のお米や野菜、海産物をさらに味わい深いものにしているのです。
雨水はゆっくりと地中に染み込み、溶岩石により浄化され、山々と自然のちからによって清冷な水として湧きあがり、ふたたびこの土地を潤していきます。
旧美方郡の村岡町、温泉町、美方町の3町のみが栽培している「棚田米」は、山間部を流れるこの澄みきった水と、一枚一枚ていねいに守り継がれてきた棚田のゆたかな土壌によって育まれています。
さらに、山々をつたい、天然の栄養分をたっぷり含んだ水は円山川へと合流し、やがて海へと流れていきます。
津居山港から水揚げされる、ゆたかな旨味をたたえた海の生物もまた、この水により育まれています。